「具体的な 」英語のニュアンスの違い
specific, concrete, tangible, realistic

「具体的な」を意味する英語も specific, concrete, tangible, realistic など様々です。 日本語にすると同じ意味でも、英語では細かいニュアンスの違いで表現が大きく変わります。 一つ一つの英語のニュアンスの違いを理解して、ネイティブの感覚に近づきましょう。

目次

単語 ニュアンス
specific 広く一般的に使われる「具体的な」
concrete 抽象に対する具象としての「具体的な」
tangible 目に見え、認識しやすいものとしての「具体的な」
realistic 現実的な

/ spəˈsifik/

  • 名詞
  • 形容詞

ニュアンス

広く一般的に使われる「具体的な」

解説

specificは「具体的な」を表す最も一般的な単語です。「明示された、的確な、特定の」等の意味も持つため、わかりやすく、特定的な具体性を表します。
広く知られている単語なため、シーンを問わず様々な場面で使用されています。
「Could you be more specific?(もう少し具体的に教えていただけますか?)」は相手に詳細を求める際など、非常に便利なフレーズです。
※動詞形specifyだと「具体的にする」ではなく「明細に述べる」となため注意
specificと同様に、particularも「特定の」というニュアンスを強く含む単語で、「具体的な」という意味で使うことが出来ます。
ex)「particular situation(具体的な状況)」

adjective
Clearly defined or identified:
precise and clear in making statements or issuing instructions:
ー オックスフォード英英辞典より引用

例文

Mr. Chow gave us very specific instructions.

チャウさんは非常に具体的な(細かな)指示をしてくれた。

What we need is a specific amount of money, not a rough one.

私たちが必要なのは概算ではなく具体的な金額だ。

/ ˈkänˌkrēt/

  • 名詞
  • 他動詞
  • 自動詞
  • 形容詞

ニュアンス

抽象に対する具象としての「具体的な」

解説

concreteも「具体的な」を表す単語です。
元々は「現実的な、有形の、固結した」という意味を示すconcreteは日本語で「コンクリート」としても知られています。
こうした意味があるため、concrete「具体的な」には、実在するというニュアンスを強く含むこととなります。
specificは「generic(一般的)」の対義語になります。一方で、concreteは「abstract(抽象)」の対義語にあたる具象(実体として物理的に存在するもの)になります。
例えば「具体例を挙げる」という際にはconcreteよりもspecificの方が適切です。実在しているものを示すわけではなく、具体的な内容を例として挙げているためです。
一方で、「具体的な実行案を挙げる」という際にはconcreteの方が適切でしょう。抽象的な方針に対して、具体的なアクションプランとして挙げるためです。
しかし、これらはあくまで詳細なニュアンスの違いなため、日常会話においてそこまで細かく考えずに使われることも多々あるため、柔軟に考える方がベターです。

adjective
existing in a material or physical form; real or solid; not abstract:
ー オックスフォード英英辞典より引用

例文

The problem is that we don't have much concrete evidence.

問題は具体的な証拠が不十分だということである。

Please submit the concrete way to put this plan into practice by next week.

来週までにこの計画を実行するための具体的方策について提出してください。

/ ˈtanjəb(ə)l/

  • 形容詞

ニュアンス

目に見え、認識しやすいものとしての「具体的な」

解説

tangibleも「具体的な」を表す単語です。
「有形の、蝕知できる」等の意味もあり、そこからtangibleの持つニュアンスを考えると分かりやすいかと思います。
例えば、「有形商品(車など実在する商品)⇔無形商品(サービスなど実際には存在しない商品)」という言葉がありますが、こちらを英語に訳すと「tangible product ⇔intangible product」となります。
このように、tangibleは実際に形としてわかりやすい具体的なものを指すときに使用します。その点では、concreteのニュアンスと近いものがありますが、tangibleの方がより実在に近いイメージです。
あまり一般的な単語ではないため、日常生活においてはあまり耳にしないかもしれません。ビジネスシーンやアカデミックな場面ではしばしば使用されます。

adjective
perceptible by touch:
clear and definite; real:
ー オックスフォード英英辞典より引用

例文

The scheme must have tangible benefits for poor families.

計画には、貧困家庭にとっての具体的給付内容が組み込まれていなければならない。

We can't move on unless we see the tangible results.

具体的な結果を見てからでないと先には進めない。

/ ˌrēəˈlistik/

  • 形容詞

ニュアンス

現実的な

解説

reality「リアリティ」は日本語としても広く知られています。
realisticは「具体的な」というニュアンスはもちろん、それに加えて現実的な、リアルな、実現可能なという意味を含みます。
そのため、concreteやtangibleのように具象を示すものも対象となりますが、その上で実際に起こり得るというニュアンスが強く示されることとなります。
訳などにおいては「現実的な」と訳されることが多いかもしれませんが、与えるニュアンスとしては具体性に長けていて現実的なとなります。
「realistic(現実主義の)⇔idealistic(理想主義の)」という表現はよく使われるため、セットで覚えておくと便利です。
単語としては、一般的でシーンを問わず広く使われるため、しばしば耳にすることでしょう。

adjective
Having or showing a sensible and practical idea of what can be achieved or expected:
ー オックスフォード英英辞典より引用

例文

I don't think they have a realistic chance of the mark.

彼らのチームには得点する(現実的な)チャンスがないと思うわ。

You should be realistic about the amount you can do in a week.

一週間の中で出来る事を現実的に考えるべきである。(一週間の中で行えることの総数については現実的になるべきだ。)

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