「降りる、下りる」英語のニュアンスの違い
climb down, go down, descend

「降りる、下りる」を意味する英語も climb down, go down, descend など様々です。日本語にすると同じ意味でも、英語では細かいニュアンスの違いで表現が大きく変わります。一つ一つの英語のニュアンスの違いを理解して、ネイティブの感覚に近づきましょう。

単語	ニュアンス
climb down	手足を使い、労力をかけて降りる
go down	立地的に低いところに移動する
descend	下降する（フォーマル）

/ -/

フレーズ

ニュアンス

手足を使い、労力をかけて降りる

解説

climb downは、移動が意図的で、手や足を使って苦労してはしごや険しい道を降りることを表します。例えば、
「She climbed down the ladder carefully. （彼女は慎重にはしごを降りた。）」
のように使います。

phrasal verb
to go down something, especially a ladder or a steep path, using your feet and sometimes your hands

ーオックスフォード英英辞典より引用

climb down の対義語

climb : 手足を使い、労力をかけて登る

例文

He climbed down the ladder after he had finished painting the ceiling.

彼は天井の塗装を終えた後、はしごを降りた。

I had to climb down a steep hill to reach the beach.

私はビーチに着くために険しい丘を下りなければならなかった。

/ -/

フレーズ

ニュアンス

立地的に低いところに移動する

解説

go downは、立地的に低いところに移動することです。climb downのような「苦労」や「自身の手足を使って」などのニュアンスは含まず、ただの低いところへ移動するです。階段、坂、平らな表面など、上から下に移動するより一般的なフレーズです。
自身で階段を降りる場合はclimb down, go down どちらも使用できますが、ニュアンスが異なります。
・go down the stairs. (階段を登る)
・climb down the stairs. (階段を登る)
では、前者は駅やビルなどの通常の階段を降りることをイメージします。
後者は「苦労」の要素が入るclimbのため、登山道などにある角度が急な階段や段数が多い長い階段を頑張って降りるようなイメージになります。

phrasal verb
To move or travel from a higher to a lower place, especially by using one's feet.
(of a sun or moon) To appear to sink below the horizon.

ーオックスフォード英英辞典より引用

go down の対義語

go up : 立地的に高いところに移動する

例文

Let's go down to the beach and watch the sunset.

ビーチに行って夕日を見よう。

The sun goes down earlier in the winter.

冬は太陽が早く沈む。

/ dəˈsend/

他動詞
自動詞

ニュアンス

下降する（フォーマル）

解説

descendは、climb downに近く、より正式でフォーマルな言葉で、高い場所から下に向かって移動することを意味します。航空機やその他の乗り物の移動を説明する文脈「下降する」でよく使われる用語ですが、人や動物が下方に移動する際にも使用できます。例えば、
「She carefully descended the stairs in the dark. (彼女は暗闇で階段を慎重に下りた)」
というように使います。

verb [no object]
Move or fall downward.

verb [with object]
move down (a slope or stairs): the vehicle descended a ramp.

ーオックスフォード英英辞典より引用

例文

The hikers descended the mountain as the sun began to set.

ハイカーたちは夕日が沈み始める中、山を下りた。

The plane began to descend toward the runway.

飛行機は滑走路に向かって降下し始めた。

参考文献の紹介

ニュアンスブックで参考にしている文献を3点ご紹介します。

1. オックスフォード英英辞典

オックスフォード現代英英辞典第10版

単行本 : 7,620円

ニュアンスブックを執筆する際、1番精読しているのは英英辞典です。英語学習において英英辞典は1冊は持っておいた方が良いでしょう。1冊で生涯使えます。言語は時代や地域、話し手の育ちや環境で様々な解釈がされますが、辞典に書かれている内容は世界基準で標準化されている情報であることは間違いありません。言葉を調べる際にはまず最初に辞典を読むのが最速かつ最良の方法のひとつです。

オックスフォード辞典は、数ある英英辞典の中の王道中の王道であり、100年近く改訂を繰り返している歴史ある辞典です。値段はやや高いですが、書籍内に付属のプレミアムアクセスコードからスマホやタブレット、PCでアプリをダウンロードして使うことも可能です。

因みにオックスフォード辞典誕生秘話は「博士と狂人」というタイトルで書籍化、映画化もされています。気になる方はチェックしてみてください。

博士と狂人

文庫 : 880円

Kindle版 : 634円

映画 : 0円(Amazon Prime)

オックスフォードの他にはロングマン英英辞典もおすすめです。こちらはオックスフォードよりも簡易な英語で説明されており読みやすいです。

2. ビミョウな違いがイラストでわかる！英単語類義語事典

ビミョウな違いがイラストでわかる！英単語類義語事典

単行本 : 1,540円

Kindle版 : 1,247円

英語の類義語を集めた辞典です。

特徴は単語の違いの説明に、それぞれイラストを載せて視覚的に理解できるようにしている点です。絵やイラストなどの視覚情報は、文字情報と比較して脳へのインプット処理が数万倍早く、かつ圧倒的に記憶に残りやすいといわれています。文字だけで単語を覚えるよりも絵やイラストなどの視覚情報を組み合わせることで学習効果を大幅に上げてくれます。興味ある方は購入を検討してみてください。