「必要不可欠な 」英語のニュアンスの違い
must, necessary, essential, indispensable, integral

「必要不可欠な」を意味する英語も must, necessary, essential, indispensable, integral など様々です。 日本語にすると同じ意味でも、英語では細かいニュアンスの違いで表現が大きく変わります。 一つ一つの英語のニュアンスの違いを理解して、ネイティブの感覚に近づきましょう。

目次

単語 ニュアンス
must (法律や命令によって)必要不可欠な
necessary 何かをする際に必要不可欠な(軽く、一般的な表現)
essential 本質的に必要不可欠な(一般的な表現)
indispensable 必要不可欠な(やや堅い表現)
integral 本質的に必要不可欠な(やや堅い表現)

/ məst/

  • 名詞
  • 助動詞

ニュアンス

(法律や命令によって)必要不可欠な

解説

mustは日本語「マスト」でも使われるように、「必要不可欠な」という意味を表す単語です。
しかし、以下の例のようにmustは「modal verb(法助動詞)」として使われることが大半なため、普段の生活においてはnecessaryやessentialなど、ほかの単語で代用されることも多いです。
「You must do that right away.(あなたは今すぐそれをやらなければなりません。)」
ニュアンスとしては、(時として法律や命令によって)必ずやる必要があるという意味合いを示します。
様々なものを対象として使用されます。オフィシャル、カジュアルを問わず、日常会話など様々なシーンで耳にするでしょう。

modal verb
Be obliged to; should (expressing necessity):
ー オックスフォード英英辞典より引用

例文

Warm clothes are a must in the freezing mountains.

凍える山では暖かい服装は必須である。

A life jacket is a must while fishing.

釣りの最中はライフジャケットは必須である。

/ ˈnesəˌserē/

  • 名詞
  • 形容詞

ニュアンス

何かをする際に必要不可欠な(軽く、一般的な表現)

解説

necessaryは「必要不可欠な」を表す単語です。mustやessentialよりもやや軽めなニュアンスを含み、何かをする際に必要という意味合いを表します。
例えば、水は生活に必要不可欠ですが、それを以下のようにあらわしたとします。


  1. 「Water is necessary for your life.(水は生活において必要不可欠である。)」

  2. 「Water is essential for your life.(水は生活において必要不可欠である。)」

necessaryを使った1.は、水は必要なものであるが、あくまで生活に必要不可欠なもののうちの一つというニュアンスを示します。一方でessentialを使った2は、を強調しており、水が何より重要であることをニュアンスとして示します。

非常に一般的な単語のため、日常生活の中でよく耳にするでしょう。
ただし、necessaryよりも口語的な「have to do (~する必要がある)」の方も同じ意味として頻繁に代替されます。

adjective
Required to be done, achieved, or present; needed; essential:
ー オックスフォード英英辞典より引用

例文

A good diet is absolutely necessary for maintaining a healthy body.

良い(バランスの取れた)食事は健康な身体を維持するために必要不可欠である。

It's not necessary to wear a mask.

マスクを着用することは必須ではない。

/ əˈsen(t)SHəl/

  • 名詞
  • 形容詞

ニュアンス

本質的に必要不可欠な(一般的な表現)

解説

essentialは「必要不可欠な」を表す単語です。
necessaryと比べると、強いニュアンスを含み、本質的に必要不可欠であるという意味合いを示します。何かを構成するにあたり欠かせない要素を表します。例えば、道路を整備するためにはコンクリートは必要不可欠です。その場合、
「Concrete is necessary for road pavement.(コンクリートは道路舗装において必要不可欠である。)」
日本語の「必要不可欠」に一番近いニュアンスを示すのがessenntialでしょう。
英語においても、シーンを問わず様々な場面で耳にする単語です。

adjective:
Absolutely necessary; extremely important:
[attributive] fundamental or central to the nature of something or someone:

noun:
(usually essentials) a thing that is absolutely necessary:
ー オックスフォード英英辞典より引用

例文

The key to the door is absolutely essential.

ドアの鍵は必要不可欠である。

Even in small companies, laptops are an essential tool.

小さな会社であっても、コンピューターは必要不可欠なツールである。

/ ˌindəˈspensəb(ə)l/

  • 名詞
  • 形容詞

ニュアンス

必要不可欠な(やや堅い表現)

解説

indispensableは「必要不可欠な」を表す単語です。
ニュアンスとしてはessentialと似ていて、必ず必要なものという強めの意味を持ちます。
essentialは本質的な内容であったのに対し、indispensableはどちらかというとそれより一般的なニュアンスを含みます。イメージとしては、それがないと、どうにもできない。逆にそれがあれば非常に便利で、成立するという意味合いです。
例えば、チームではメンバー同士の相互理解は欠かせません。その場合、
「Our mutual understanding is indispensable to win.(勝つためには我々の相互理解が必要不可欠である。)」
日常生活においては、どちらかというとessenntialの方が良く使用され、indispensableはやや堅めな表現になります。そのため、オフィシャルなシーンが多いでしょう。

adjective
absolutely necessary:
ー オックスフォード英英辞典より引用

例文

Apps have become an indispensable part of our lives.

アプリは私たちの生活において必要不可欠なものの一部となった。

None of our members is dispensable.

うちはどのメンバーも必要不可欠だ。(必要でないメンバーはいない。)

/ ˈin(t)əɡrəl/

  • 名詞
  • 形容詞

ニュアンス

本質的に必要不可欠な(やや堅い表現)

解説

integralは、日本では一般的に「Integral symbol(積分記号)」を表す単語として知られていますが、「必要不可欠な」という意味も表します。
積分からも想像できるように、ニュアンスとしてはessentialに近く、機能的な、本質的な必要性を表します。
数学の分野以外でも、心理学など学術分野において使用される単語でもあります。例えば、
「Integral theory(インテグラル理論)」はアメリカの思想家であるケン・ウィルバーによって提唱された理論として知られています。ここでのintegralは「統合的」という意味を指し、様々な事象全てを考慮に入れた考え方を表します。
このようなアカデミックにおける使用からも考えられるように、integralは必要となる対象のベースの部分を(抽象的に)表します。
言葉としては、堅い印象を持つため、オフィシャルな文章などで目にすることが多いでしょう。

adjective:
Necessary to make a whole complete; essential or fundamental:
[attributive] having or containing all parts that are necessary to be complete:
ー オックスフォード英英辞典より引用

例文

Statistics are integral to scientific research.

統計は科学研究において、必要不可欠である。

Sport should be an integral part of children's education.

スポーツは子供の教育において必要不可欠であるはずだ。

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