「自由 」英語のニュアンスの違い
freedom, liberty

「自由」を意味する英語も freedom, liberty など様々です。 日本語にすると同じ意味でも、英語では細かいニュアンスの違いで表現が大きく変わります。 一つ一つの英語のニュアンスの違いを理解して、ネイティブの感覚に近づきましょう。

目次

単語 ニュアンス
freedom 内的な自由
liberty 社会的な自由

/ ˈfrēdəm/

  • 名詞

ニュアンス

内的な自由

解説

freedomは人間が元来持ち合わせている 内的な自由を表します。ナチスの強制収容所での凄惨な体験を記した『夜と霧』の著者であるヴィクトール・エミール・フランクルは以下のように述べています。
''Everything can be taken from a man but one thing: the last of the human freedoms – to choose one’s attitude in any given set of circumstances, to choose one’s own way.''ー''人間からすべてを奪うことはできない。人間の自由、つまり、どんな状況でも自分の態度を選択し、自分の道を選ぶことができる。''
自分の意思を目の前の社会と対比するのではなく、どの時代においても自分の中に実装されている権利freedomは表します。
また、freewillという言葉は 自発的な自由意志を表すことも覚えておきたいです。これは個人の行動主体が意思によって選択した結果であるとする哲学的な高次な概念になります。

noun
the power or right to act, speak, or think as one wants without hindrance or restraint:
ー オックスフォード英英辞典より引用

例文

That incident made the public think deeply about freedom of expression.

その事件をきっかけに、国民は表現の自由について深く考えさせられた。

In the post-war period, the artist proclaimed his freedom from the existing authority and caused a social phenomenon, involving many people.

戦後、そのアーティストは既存の権威からの自由を宣言し、多くの人々を巻き込みながら社会現象を巻き起こした。

/ ˈlibərdē/

  • 名詞

ニュアンス

社会的な自由

解説

libertyは 外部からの働きかけからの解放や許可や権限に縛られない自由を意味します。freedomが内的な自由を表すのに対して、libertyは外的な自由を表し、社会において何かしらの権力が個々人の意思や振る舞いに影響が及ばない状態を表します。
また、社会の変革の中でliberty 消極的自由(negative liberty) 積極的自由(positive liberty)の2種類に分類されて述べられることがあります。両者を要約すると、消極的自由は「〜からの自由(liberty from~)」つまり他者に従わないことを表し、積極的自由は「〜への自由(liberty to~)」つまり自己実現を示します。政治的な場面や社会の転換において「自由をどのように実現するか」という点で両者は頻繁に対立概念として考えられます。

noun
The state of being free within society from oppressive restrictions imposed by authority on one's way of life, behavior, or political views:
ー オックスフォード英英辞典より引用

例文

Divisive debates about personal liberties continue to be an open-end topic.

個々の自由に関する議論は答えが出ないまま、続くのである。

He said it would be a shame to come to New York and leave without seeing the Statue of Liberty.

ニューヨークに来て自由の女神を見ないで帰るのは、しょっぱいだろうと彼は言った。

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